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資本主義と民主主義

今回は、資本主義と民主主義の関係について書いてみたい。多くの先進国では、この2つのシステムを取り入れているが、両者はどのような関係にあるのだろうか。

このことを考えるにあたっては、まずそれぞれの意味するところを理解する必要がある。これら概念を正確に理解できている人は少ない。では、まず資本主義とは何だろうか。

資本主義とは、生産手段の私有化のことをいう。資本主義に対峙するものとして、社会主義が挙げられるが、社会主義は生産手段の共有化のことである。要は、工場などの付加価値を生み出す設備などが生産手段にあたり、そこで働く労働者達がその生産手段との関係でどのような立場に置かれているかが両者で異なる。生産手段を資本家が独占し、そこから隔絶された概念である労働者を雇うのが典型的な資本主義である。これに対し、生産手段を労働者皆で保有するようにしようというのが社会主義である。であるから、社会主義では、労働者から隔絶された資本家の概念の存在は否定される。つまり、資本主義では、生産手段を持ち労働者を雇用して資本家に富が集中しやすいという特徴がある。最近、貧富の格差が叫ばれているが、資本主義を推し進めてきたことの当然の帰結といえる。

これに対し、民主主義は平等を目指すもので、本来的に資本主義になじみにくいものである。民主主義とは、治者と被治者の自動性である。すなわち、政治的に治められる者は治めるものを自ら選び、自ら選んだ統治者に自ららを統治してもらおうという考え方である。民主主義と対峙する概念として独裁主義がある。独裁主義においては、統治者を被治者が選ぶことは許されない。そして、民主主義では、その根本的な思想からして、一人一票の概念になじむ。つまり、富む人も貧しい人も、一人一票、選挙機会の平等が保障される。結果として、どのような社会を目指すかは、多数決、すなわち社会の構成員の多数意思で決まる。

このように、資本主義は格差を生み出し、民主主義は平等を目指す。両者は本来相容れないものなのである。では、なぜ多くの先進国と呼ばれる国々がこれら2つのシステムを取り入れ、それなりに成功しているのであろうか。これには複数の回答がありうるが、一つの回答として、資本主義の行き過ぎを民主主義によってブレーキをかけ、ほどよい社会を目指そうとしていることが挙げられる。その意味で、両者は補完関係にあるともいえる。

資本主義、民主主義、どちらも聞きなれた言葉ではあるが、それらの意味するところをよく理解し、自身がどのような社会で生活しているのかを理解することは日々の生活を送る上でもとても大切なことである。