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担当者に伝えておきます

物やサービスを利用する際、会社に電話などすると、担当者に伝えておきます、という回答をもらうことがよくある。今回は、この対応のばかばかしさについて書いてみたい。

多くの場合、顧客としては、その会社に対し、物やサービスに関し、何か伝えたいことがあって連絡をとる。その際、会社の担当者が誰かということは顧客に関係あるのだろうか。

担当者が誰か、あるいは、その会社内の担当部署がどこかといった事項は、その会社組織内部の問題である。多くの場合、顧客には全く関係ない。例えば、ある会社から購入したものが壊れたと言って顧客が会社に連絡した場合、その会社内で商品の修理を行う部署がどこかは顧客に全く関係ない。

というよりも、担当者に伝えておきますとか、部署が違いますのでうんぬんという会社側の対応は、私はこの会社内で自身に割り当てられた仕事だけをしてお給料を頂きたいと考えている、だから自身の担当でない仕事には一切関わらない、と社外の顧客に対して宣言していることと同義である。

顧客にとってはこれほど失礼なことはない。顧客としては、会社に対して連絡をとろうとしているのに、自身は会社とは関係ない、と言われているようなものである。会社組織がどうなっているか、担当者が誰かなど、顧客には全く関係のないことである。これでは会社のビジネスがうまくゆくはずがない。会社側から、それでは、〇〇というように対応致します、と回答するのが的確であろう。

一歩進めて、こういった連絡を顧客から受ける会社の経営者の視点で考えてみよう。多くの場合、会社は、ごく少人数の構成員から立ち上がり、ビジネスが軌道に乗って組織が大きくなる。そうすると、組織効率化の観点から組織を細分化したほうが業務効率が上がってくる。そこで、中規模以上の会社では、部署が分かれたり、担当者が細かく分かれたりしてくる。

私が経営者だったら、上述したような、担当者がどうとか、部署がどうとかという話で顧客が迷惑するようなら、それら部署は統合する。例えば、A部署とB部署との間で、お互いに相手の部署が責任部署だと主張して、顧客に迷惑をかけるようなら、A部署とB部署は統合する。なぜなら、組織の細分化はビジネスを成功させるため、もっと分かりやすくいえば顧客のニーズを満たすためにあるからである。顧客のニーズを離れて、社内の部署間でもめるなど本末転倒である。

このように、当たり前に使っている、担当者に伝えておきます、という文句はそれ自体がばかばかしいことに気づく必要がある。顧客にとっては、担当者に伝えてその後どうなるかがすべてである。この国が、会社内部組織を知りたいマニアの集まりだ、と勘違いしないほうがいい。