今回は、MDの処遇について書いてみたい。
一般に、MDの処遇は、同年代の臨床医よりよい場合が多い。年収もやや高いことが多いことに加えて、大企業が多いことから、各種福利厚生制度が整っている。であるから、非課税で得られるものも多く、手厚い。
臨床医から企業内MDとなってまず感じるのは、休日の多さだろう。土日祝日を含めて、年間120日以上は休めることが多い。年休も年間15日以上あり、会社から取得するよう促される。病院と違って、病棟に受け持ち患者がいるということもないから、休日も午前病棟に行って患者の健康状態を確認するということもない。であるから、実質的な時給は一般的な臨床医より高い。グローバルプロジェクトなど、夜間のグローバル本社などとの電話会議もあるが、計画的に進めることができる。臨床のようにいつ患者が急変するか分からないため、計画が立たないということはまずない。
さらに、学会などは出張旅費なども含めて、企業が拠出してくれることも多いため、その面での自己負担の軽減が期待できる。
加えて、MDの仕事は昨今のテレワークになじむ。会社から支給される業務用のPCとスマホがあれば、世界中どこにいても仕事ができることが多い。メールのやり取り、会議、直接すぐに話したい人がいれば、電話すればよい。基本的に通勤がなく自宅で仕事ができるのは、個人的にはとてもよい。
あとは、臨床との兼業が処遇に大きく影響する。正確な数字は把握できないが、何割かの企業がなんらかの形で週1回といった形で臨床との兼業を認めていると思われる。臨床医の研究日のイメージに近く、この場合は週4日企業勤務し、残りの1日は医療機関での臨床業務に携わることになる。そうすると、処遇もかなりよくなる。
とはいっても、MDは外資系企業で働くことが多いため、成果主義のことが多い。高いパフォーマンスで結果が出せれば処遇は改善するし、逆もしかりである。