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リモートワークのメリット

新型コロナウイルス感染症が発生した数年前、皮肉にもウイルスから半ば強制された形で広がり始めたリモートワークであるが、最近、オフィス回帰の動きが進んでいる。今回はこのことについて書いてみたい。

まず、一般に言われていることでもあるが、リモートワークのメリットについて、筆者なりの見解を交えて書いてみたい。まずは、メリットとして以下のような点が挙げられる。

1.通勤しなくて済む

これは実際にリモートワークをしている人からよくあがる声である。通勤は社会に何ら付加価値を生み出さない。すなわち、苦労して通勤したからといって、社員の通勤に関して、雇用主(会社など)は何らの成果物も得ない。逆に通勤手当を払わなければならないため逆効果ですらある。会社は営利団体であることから、貪欲にその営利性を追求すべきであろう。

筆者は、リモートワークが中心で、時に、会社の要請に応じて朝の通勤時間帯の電車に乗っているが、新型コロナウイルス感染症前と同様、満席である。いかに、日本の企業の経営者がまぬけの集まりかよく理解できる。実際に、日本の一人当たりの労働生産性は先進国中最下位である。

新型コロナウイルス感染症に際して、一気にリモートワークのテクノロジーが進歩した。筆者は、Web会議システムを使って、毎日のように英会話や中国語会話のレッスンを受けている。英会話の講師などは世界中から自宅からcall-inするが、お互いの部屋から一歩も外出することなく会話ができるのはとても便利である。最近は、友人と飲み会をするにも、Web会議システムを使い、安価に飲み会をしている。最悪酔いつぶれても自身の部屋で寝るだけである。帰路の電車内などでトラブルに会うこともない。

また、これもよく言われることだが、ワークライフバランスを実現することができる。例えば、子供の保育園の送り迎えなど、オフィス勤務では実現できなかったことが実現できる。

2.被用者のリスクが軽減される

これはあまり語られないことだが、通勤してオフィス勤務する被用者(労働者)は多くのリスクを抱えている。日本でいえば、例えば大震災のリスクがある。地下鉄に乗っている途中で大震災があると電車は止まり、電気も止まる。真っ暗な地下に閉じ込められた場合、生存確率はどの程度あるであろうか。

自然災害でいえば、東京の場合、大震災より富士山噴火の方が深刻かもしれない。富士山噴火の場合は、都内の火山灰蓄積により被害が長期化することから、さっさと北の方角に非難するのがよい。

感染のリスクについてもいうまでもない。他の人と接触しなければ、ウイルス感染に罹患することもなく、健康に生産性の高い仕事ができる。私生活でも健康でいることはよいことである。

また、特に男性では通勤中、痴漢冤罪にあうリスクを回避できる。そもそも、満員電車で多くの人がすしずめ状態となってトラブルが起こらないはずがない。

3.雇用主のコストが減らせる

雇用主(会社など)にとってみれば、オフィスを減らせるのは大幅なコストカットにつながる。特にテナントで借りている場合には、そのスペースを減らし、テナント料を減額できる。前述のように、社員に通勤手当を払わなくてよいこともあろう。

4.会議室の問題がない

オフィスで働いていると、会議の必要が生じた場合、人数に応じた会議室を準備する必要がある。会議室が確保できないと、せっかくメンバーのスケジュールが開いているのに、会議の時間を変更せざるを得ない場合もある。リモートワークだと、こういった煩わしさから解放される。

また、会議室間の移動が要らないのもよい。オフィス勤務だと、会議が連続する場合、会議室を移動する時間で5分程度かかることがある。リモートワークなら数クリックなので、30秒もかからない。

5.好きな場所で働ける

被用者側としては、田舎だろうが、海外だろうが、インターネット環境と電話環境さえあれば、好きなところに住んで働ける。

このことは、被用者個人単位だけの問題ではなく、社会にとってもプラスとなる。都市一極集中が進み、非都市部の過疎化が社会問題となっているが、都市部から非都市部への移動が進み、非都市部の過疎化の解消につながり得る。

6.雇用主としては優秀な人材を確保できる

雇用主から見た場合、結局ここに帰着するのではないだろうか。もちろん、リモートワークのデメリットとされている点も筆者は承知している。例えば、被用者の労働が見えないから被用者の評価がしにくいといった点がデメリットとしてよく挙げられる。しかし、経営をするにあたって、最も重要なのは人である。優秀な人材が社外に流出してしまっては、被用者の評価もあったものではない。無能な社員で会社を回そうとすると、会社の業績が落ちることは目に見えている。上述の社員の評価は、いかに長くオフィスで座っていたかではなく、その社員がどれだけの成果を出したかを基準とすれば問題ない。

筆者の予測では、今後は企業間の2極化が進むことであろう。すなわち、リモートワークのような合理的な働き方を取り入れた企業は優秀な人材を集めますます反映するだろうし、人材を奪われた企業は経営に苦労することであろう。もっとも、我が国の企業自体が、市場でフェアに評価されてこなかったことを考えれば、これから本格的な企業の淘汰が生じ、社会にとって必要な企業だけが生き残ることは社会にとってよいことなのかもしれない。