ファイナンシャルプランニング

資産形成をするにあたりまず考えるべき1つのこと

表題を見て即答できる人は、すでに資産形成に成功しているか、成功しつつある方だろう。ここは唯一絶対の回答があるわけではないが、成功者の多くが答える内容について述べる。それは稼ぐことだろう、程度の意識では資産形成はなかなか難しい。

資産形成をするにあたりまず考えるべきこと、それは月々のお金の使い方を考えることと筆者は考えている。資産形成後の出口戦略としてのお金の使い方の問題も重要ではあるがここでは触れない。

では具体的にはどうすればよいか。バビロンの大富豪という昔から読まれている名著にあるように、収入(手取り)の1割を資産運用に回すとよい。すなわち、収入の9割で生活できるように月々の家計を見直してお金を使うことが大切である。もちろん、収入や生活レベルは人によってそれぞれであろうから、ここは割合で考える。収入が少ないなら少ないなりに、多い人は多いなりの資産形成ができ、将来の生活レベルに合わせた資産形成が可能となる。

さらに具体的に方法を説明すると、自身の毎月の給与口座から強制的に収入の1割を自動天引きするような仕組みを作っておくとよい。最近はインターネットを使って、容易にこういった設定ができる。この天引きした1割をどのように資産運用するかが次のステップとしての資産運用の方法論の問題となる。資産運用の前に、まずはこのような資産運用の原資の捻出方法について考えておかなければならない。すなわち、この1割を捻出するような月々のお金の使い方、すなわち、この1割はないものとした月々の生活をしなければならない。この自動天引きは上述のように仕組化しておけば苦にならない。手間もかからないし、収入の9割のお金の使い方に慣れてしまえば月々の生活も苦にならない。家計の無駄を省くだけでこの9割は達成できることもある。

もちろん、1割とはいわず、2割、3割と、より高い割合を資産運用に回して、残りのお金を使う生活でもよい。私は現在、毎月の手取り収入の5割程度を資産運用に回し、国際分散投資を行っており、残りの5割ほどのお金を月々使っているが、あまり無理しなくてよい。大切なことは、その方法で継続可能か、言い換えれば、月々の生活が不幸せにならないかという点である。将来の生活を幸せなものにするために現在の生活を不幸せにしてしまっては本末転倒である。使うべきは使うことも当然のことながらまた大切である。

将来の年金の不安などが募る昨今であることから、まずは上述のような方法で資産形成の仕組みづくりをして月々のお金の使い方を見直し、将来に備えてみよう。