ファイナンシャルプランニング

リスクの分散という考え方

将来のことは分からない。だから、どうすべきか、ここは考え方が大切である。今日は、仕事のこと、資産運用のこと、2つについて考えてみたい。

1.仕事について

現在の勤務先は大丈夫だ、と今は思っているかもしれない。しかし、将来どうなるかは分からない。スキャンダルなどで、現在の勤務先の評判が地に落ちて一夜にして状況が一変するかもしれない。また、変化の激しい昨今においては、現在安泰と思われている業界そのものが社会から不要とされるかもしれない。

その意味で、一つの勤務先だけに固執するのはかなり危険な場合が多い。勤務先が最悪破綻して職を失った場合、収入源がその勤務先だけだと収入はゼロになってしまう。

しかし、例えば、メインの勤務先からの収入が60%として、その他の収入源を20%づつ2か所持っていれば、最悪メインの勤務先からの収入がゼロとなっても、残りの40%の収入が残る。場合によっては、メインの勤務先で費やしていた自身の時間を、これらのその他の収入源に投資すれば、収入のさらなるアップも期待できる。もちろん、メインの勤務先を変える、すなわち転職するという手もある。この場合には、どこにいっても自身という商品を売ることができる、自身のいわば商品力を磨いておく必要がある。その意味で、仕事も自身の時間や労力を投資する行為ととらえてよい。

最近は、メインの勤務先を持たない、副業ならぬ、「複業」という働き方も出てきている。収入源の分散により将来の不確実性に備えることは大切である。

2.資産運用について

資産運用についても同じことがいえる。私は現在アセットアロケーション投資という資産運用を行っている。具体的には、国内債券、国内株式に加え、先進国債券、先進国株式、新興国株式、国内REIT(REIT:不動産を証券化したもの)、そして日本を除く先進国REITの7つのアセットに分散投資し、着実に資産を形成している。

さすがにこれだけ分散していると、日々のブレの幅もかなり安定する。市場全体がリスクオフの状況になったりすると大きく目減りすることもあるが、すぐに回復するため気にならない。

よく投資は怖いもの、といいながら、銀行預金だけをしている人がいる。私から見ると、この方法のほうがよほど怖い。すなわち、日本円だけで全額資産を保有しているということは、100%日本円に投資しているのと同義だからである。例えば、日本円が大幅な円安となったり、将来インフレが生じたりすると、資産は大きく目減りすることになる。堅実に世界に満遍なく投資する方法のほうがむしろ王道と考えてよいだろう。この日本円への100%投資についてはまた機会を改めて書きたい。

仕事にしても、資産運用にしても、1か所に100%投資している人は、何らの分散の対策を打つべきであろう。