ファイナンシャルプランニング

GPIFの運用成績

国民年金や厚生年金に加入している方は、自身の年金がGPIF(Govermant Pension Investment Fund:年金積立金管理運用独立行政法人)で国際分散投資運用されているのを知っているだろうか。GPIFは厚生労働省所管の独立行政法人であり、日本の公的年金のうち、厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行っている組織である。

今回、GPIFについて書く理由は3つある。すなわち、①まずはGPIFの存在を知って頂きたいこと、②自身の年金はGPIFで運用されていることを知って頂きたいこと、③GPIFの運用成績を知って頂きたいことである。

投資についてはこれまで幾度となく書いてきた。投資はギャンブルではないこと、長期運用にあたり国際分散投資は優れていることなどである。投資するのしないのと議論する前に、ずいぶん前から国は国民の年金を国際分散投資してそれなりの成績を出している。ここでは具体的なことは書かない。「GPIF」で検索すれば、それらの内容はホームページで公表されていることから、すぐに確認することができる。

ホームページを見ると、運用方針として、「卵を一つのかごに盛るな」などの投資の基本的なことが書いてあって勉強になる。欧米圏でも、”Don’t put all your eggs in one basket.”は投資の基本的考え方として定着しており、欧米圏の方と話していると、当たり前のように話される。

GPIFは国内外の株式、債券で運用を行っていてまさに国際分散投資そのものなのだが、筆者から見ると、国内債券の比率が高く、リスクをあまりとらないやや消極的な運用、良く言えば安全運用に見える。それでも、2001年以降の運用で、年率3.37%という数字を出しており、悪くない。

筆者であれば、国内債券の割合をより減らし、国内外のREIT、すなわち不動産にも投資するだろう。REITへの投資は一般に株式よりも大きなリスクをとることになるが、株式や債券とはまた違った値動きをすることが多く、長期的には成長が見込めることから、分散投資のポートフォリオに含めるのに適している。

いずれにしても、投資をすでに始めている方は、GPIFの安全投資は当然知ったうえで、それよりもさらに運用成績を上げるにはどうしたらよいか考えて投資している。投資はギャンブルだというのもいいが、まずは客観的な数字を見つめてみよう。