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お悔やみの言葉

医師として仕事をしていると、リアルな人の人生の終了に立ち会うことがある。死亡宣告の後、ご遺族に「お悔やみ申し上げます」などの言葉をかけることが多い。詳しくは分からないものの、故人の人生に思いをはせ、その気持ちに寄り添い、故人やそのご遺族に、職業人として敬意を示す瞬間である。

しかし、同じ人の死に関わる仕事でも、リアルな死に接しない職業の方は、こういった気持ちを持ちにくいようである。例えば、最近筆者が気づいたところでいうと、遺産相続を扱う士業の方々、あるいは役所の戸籍係などである。こういった方は、人の死に関することを日々扱うものの、そのリアルさに接する機会が少ない。

犬猫などの他の動物と異なり、人は自身が見たり体験したりしなくても、想像力を働かせることができる。想像力はその人の人間力を推し量る重要な尺度である。人によってこの想像力が異なってくるのは、見ていて興味深いと感じる今日この頃である。