ファイナンシャルプランニング

家計を見直そう

普段の生活で、ごく普通に生活しているつもりでも、ずいぶん無駄な支出をしていることが多い。私もここ10年くらい、自身の家計の見直し、具体的には、支出の見直しを段階的に行ってきた。

家計を楽にするには、主に3つの方法がある。一つは、多く稼ぐこと。これは多くの人が理解できるだろう。ただ、収入を増やすのは普通は容易でないことが多い。そこで支出の見直しが大切になってくる。3つ目は、資産を運用して増やすことである。本日は、この2つ目の支出の見直しについて書いてみたい。

支出の見直しというと、節約という言葉が思い浮かぶかもしれない。言葉の定義はともかくとして、支出の見直しの際のポイントは、生活の質を極力落とさないことである。つまり、現在の生活の質をそれほど落とすことなく、支出を減らすというものである。多くのケースでは、漫然とした支出が多い。これを一つ一つ見直してゆくことが肝要である。下述するように、見直しの内容によっては、生活の質が上がるものもある。

人生の支出のうち、大きなものは、住宅、教育、車、保険といったところであろう。本来は、このような大きなところから見直すのが効率的なのだが、すぐに手をつけにくいことが多い。そこで、本日は、手の付けやすいと思われるところから紹介させて頂きたい。

1.電力、ガスの契約先の会社の変更について

人によって意見は分かれるかもしれないが、私はこれがまずは手を付けやすいところだと思う。特に電力の契約先の会社の変更による支出の削減の効果は大きい。

することは簡単である。最近は、インターネットで電力会社やガス会社の比較サイトが多くあるため、自身の家庭の過去1年分の消費電力を入力してみるとよい。だいぶ安くなるケースが多い。(お手元にない方は、電力の検針票過去1年分の保存をお勧めする。)自身に合った電力会社が見つかったら、あとは引き続き必要情報等を入力して申し込みのボタンをクリックするだけである。電子メールが届き、新しい電力会社が契約の切り替えを代行してくれる。

私が電力会社の見直しをまず挙げたのは、この契約変更によって生活の質が落ちないからである。停電が起こることもないし、照明が暗くなることもない。受けられるサービスは全くといってよいほど落ちない。

ガスは電力ほどではないが、それでもいくらかは安くなることもある。併せて見直してみるといいだろう。

2.通信費の見直しについて

第二に挙げたいのは、通信費の見直しである。最近はスマートフォンを使っている方が多いと思う。また、自宅のWiFi環境の見直しも検討すべきだろう。

これらはその人のライフスタイルで大きく変わるが、現在、スマートフォンを大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)で契約している場合、格安simへの契約に変更するとよい。格段に月々の料金が安くなる。私の家庭でも、最近、すべてのスマートフォンの契約をキャリアから格安simに変更したところ、毎月の支払いをだいぶ抑えることができた。不便な点といえば、変更の際にいくらか手続等で手間がかかること、それまで使ってきたキャリアメールが使えくなること、通信速度がキャリアよりも遅くなるといったことはある。ただ、キャリアメールは、最近はフリーメールで代用できるし、通信速度の低下も、通常の使用ではほとんど気にならない。人にもよると思うが、通常の使用ではあまり問題とならないだろう。

自宅のWiFi環境だが、ライフスタイルにもよるが、光回線なら固定電話の契約とともに検討し直してみるとよい。私は、最近、スマート光というサービスに契約を変更した。ほとんど広告を出していないので、広告料がかからない分、料金が低く抑えられている。特に、料金体系がシンプルで明確なのがとてもよい。

3.クレジットカードの見直しについて

これも手を付けたいところである。支出の見直しといってよいか分からないが、ポイントまたはマイルの還元率の高いカードに変更するとよい。

クレジットカードの見直しは、まずは検討の入り口の大きな分岐点として、旅行などでマイルを使って航空機を少なくとも毎年利用するかどうかである。もし、マイルで毎年航空機を使うのなら、還元率の最も高いのは、マイルによる還元率の高いカードである。航空機を使わないのであれば、普段の生活費に還元できる還元率の高いカードがいいだろう。

私の意見であるが、還元率が少しでも高い新しいカードを探すというよりも、過去一定期間の安定した実績があるカードがよいだろう。クレジットカードの変更は、各種登録変更手続きが煩雑なため、新しいカードだと、短期で還元率などの内容が変わったりして、後悔する可能性があるからである。

大切なことは、生活に関わる支払いをできるだけ特定のカードに集中させて、ポイントやマイルをできるだけ一元化することである。ポイントやマイルを使うときに使いやすいし、管理もしやすい。電気代や水道代など、最近は生活費でクレジットカード払いできるものが多く、ポイントも付与される。そのポイントは、実質、現金化できることが多いため、家計の助けになる。また、生活費のほとんどを1枚のカードに一元化できれば、そのカードの支払い明細は、家計簿代わりにもなって、その意味でも管理しやすい。したがって、クレジットカードの見直しは生活の質を上げると言っていいだろう。

4.銀行の見直しについて

資産運用でどこの証券会社を選択するかにもいくらか関係するが、銀行も見直せるといい。お勧めはネット銀行である。

ネット銀行であれば、現金をおろしたり、他行に振り込んだりと、種々の決済の際かかる手数料や時間が節約できる。店舗をほとんど持たないため、コストがかからず、これら手数料を安く済ませることができるわけである。

最近は、ネット銀行であれば、コンビニのATMで現金をおろせるところが多い。市中銀行のATMの長い行列に並ぶ必要がなくなるのはとてもよい。また、他行への振り込みも月数回までは手数料無料でかなりの節約になる。家でパソコンでお金を振り込んだり、設定しておけば毎月の定期的な振り込みを自動的に手数料無料で行ってくれるなど、とても便利である。であるから、銀行の見直しも生活の質を上げると言ってよいだろう。

最後に

支出の見直しで、まずは手を付けやすいと思われるところから列挙してみた。一歩踏み出すまではなかなか気が進まないことも多々あるかもしれないが、一度変更してしまえば、あとはほとんどすることはないものばかりである。まずは手の付けやすいとことから一歩を踏み出してみてはどうだろうか。