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集合住宅(マンション・アパート)での防犯としての挨拶

私は賃貸アパート・マンションに住み続けて35年ほどになるが、普段から特に心がけていることがある。それは、廊下やエレベーターであった人に、必ず挨拶することである。「こんにちは」、「おはようございます」といったものである。これは、私が、礼儀正しいとか、隣人との関係を良好に保とうとか、お人よしだとか、そういったことではない。むしろ全く逆である。私は、基本的には人を信用しない。自己防衛、防犯のために行っていることである。

近年のマンションには、様々な防犯設備がついている。オートロックや、防犯カメラなど、技術の進歩でかなり安全になったかにみえる。しかし、実際には、犯罪は日々起きている。例えば、オートロックのマンションの最上階は空き巣に入られる確率が高いとの話も聞く。

挨拶は、最強の防犯手段の一つである。空き巣の心理を考えてみればよい。誰もお互いに声を交わさないオートロック付きのマンションなどは、前の人について歩いて行って、オートロックの入り口から入るのに乗じて鍵なしでマンション内に入ることなどたやすい。防犯カメラ対策も、帽子をかぶるなど、いとも簡単にできる。空き巣にとってみれば、通常のマンション程度の防犯技術など、ないに等しい。

しかし、住民から声をかけられることは、空き巣にとって愉快でない。元気よく挨拶された空き巣の心理を考えてみればよい。挨拶しかえさなければならないのだが、反応が不自然となる。顔も見られるだろうし、わざわざそんな面倒くさいマンションで空き巣をしようとは思わないだろう。そんなマンションならさっさと入るのをやめて、もっと狙いやすいマンションにターゲットを変えることだろう。

私は、元気よく挨拶し、相手の反応をみるようにしている。そして、不審な人物と判断すれば、直ちに警察に通報するようにしている。このため、これまでの長い集合住宅生活のなかで、自身が空き巣被害にあったこともなければ、同じ集合住宅の住民が空き巣の被害にあったという話を聞いたこともない。おかげで安全な毎日が送れている。

これまで挨拶をしてこなかった人も、まずは挨拶を始めてみてはどうだろうか。はじめのうちは住民の反応が悪くても、徐々に習慣化していって、マンション全体の住民同士がお互いに挨拶をし合うようになる。先端技術に頼るのもよいが、このような原始的な方法が実は効果的であるといったことは、この社会には多々あるものである。