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若い世代の友人

今回は、自身より若い世代の友人を作ることの重要性について書いてみたい。総じていえば、20代くらいまでは、仕事を含め、自身よりも人生経験のある年上の世代から学ぶことが多い。一方で、30代以降は、自身よりも若い世代の友人を意識的に作るようにしたほうがいい。

何事にも熱心に取り組む人に特にありがちな印象を受けるが、自身よりスキルの高い人からものごとを吸収しようとすると、自身より経験のある世代に目がゆきがちである。そのこと自体は悪いことではないが、並行して、自身より若い世代の友人を作ることも大切であろう。このことは、ややもすると、日ごろの生活の中で見過ごられがちな点である。以下、その理由とともに述べてみたい。

1.社会の全体像を把握することができる

我々が住むこの世界は、いうまでもなく、様々な世代の人々で構成されている。友人と呼べる人が自身より年上の世代ばかりだと、自身が年齢を重ねるごとに社会を片面的にしか見れなくなってしまう。

生産年齢人口に限ってみても、すでに自身が30歳代となった段階で、20歳代の友人が少なければ、20歳代の世代が実際にどのような問題意識を持ち、何を考え、何を重視しているかが見えてこない。結果として、年々、社会の見方が片面的となる。自身がより年齢を重ねればなおさらである。このような事態を避けるため、自身より若い世代の友人を持つべきである。

2.新しい感性に触れることにより自身を磨くことができる

総じて、若い世代の人間は、そうでない世代の人より、ものごとのとらえ方や考え方に柔軟性を持っている。自身がその時点で取り組んでいること、あるいは新たに取り組もうとしていることとの関係では、新しい感性があるととてもよい。

不確実性の高い昨今において、絶対的な正解というものが見出しにくく、何事も自身の頭で新たに考え出してゆく必要がある。その際、若い世代の新しい感性に触れておくことは有益である。

3.友人が専門職であれば生涯相談できる

合理性にすぎると言われるかもしれないが、歯科医、弁護士など、友人が専門職であれば、その友人が現役である期間が、自身の寿命より長くなり、生涯相談が可能となる。

例えば、自身が90歳まで生きると仮定して、30歳若い専門職の友人を作っておけば、その友人が60歳の時まで相談し、お世話になることができる。

4.若い世代の友人を作っておかないと友人そのものがいなくなる

これは、特に長生きしようとしている人に言えることである。年齢を重ね、70代、80代となってくると、友人がみな亡くなってしまう。筆者の経験でも、仕事を引退し、友人がいないと、何のために生きているのか分からないとご自身で感じられる方が多い。

もし、自身より若い世代の友人を多く作っておけば、生涯、友人が加齢で死亡して少なくなるというリスクを減らすことができる。すなわち、若い世代の友人を作っておくことにより、来るべき将来に備えることができる。

最後に

冒頭で述べたように、自身より若い世代の友人を作っておくことは、日々の生活の中で見過ごられがちである。非常に合理的な考え方として、自身より若い世代の友人を作っておくことは、自身にとって大きなメリットがある。

人類の歴史が6万年として、その間に同時期に生きた人という存在自体は大変貴重なものである。歴史に学ぶことは多いが、一方で、同時期に生きた人々と交流して、その時代における自身の人生を最大限実りあるものにすることはとてもよいことであると考える次第である。