先日、職場での昼食時に投資の話をした。みなさんが、投資にアレルギーを持っていることを実感した。というよりも、お金の話をすることが悪という風潮がある。
私は8年前からアセットアロケーションという方法で投資をしている。この名前を聞いただけで多くの人がアレルギーを起こしてしまうが、大したことはない。やっていることは中学生でもできるようなことである。
要は、毎月自分で設定した金額を積み立て、全世界に投資信託で分散投資するというものである。インターネットで証券口座を開設すればすぐに始められる。最近は便利になって、毎月100円の積み立てから始められる(私のアセットアロケーションだと毎月2000円から始められる)。手数料も年間1%未満でだいぶ低くなった。最初にパソコンで積み立てを設定してしまえば、自分の給与口座から一定額が自動的に積み立てられてゆく。あとはほとんどすることはない。
投資は長期にわたり継続するものなので、10年以上、数十年の単位で考えるものである。このくらいの長期でみると、1年あたりの運用益(貯金でいうところの利子にあたるもの)は通常は3%以上は期待できる。ただ、貯金のように毎年〇〇%というように確実に増えてゆくのではなく、ある時は大きく増え、またある時は大きく減ったりするなど、グラフにすると波打ちながら長期的には増えてゆく。
また、将来のことは確実には分からないというのが投資の大前提なため、確実に増えるか、と問われると確実とまではいえない。ただ、かなり高い確率で増えるだろう、ということはいえる。短期的にみれば元本(実際に投資した金額)を割る(つまりマイナスになる)こともある。10年に1回くらい起こる、〇〇ショックといった場合には、元本の半分くらい(つまりマイナス50%くらい)になることもある。なので、一時的にでも半分くらいになってもいいと思える金額で始めるのがよい。減ることを過剰に恐れることはない。長期的に見れば高い確率で増えてゆく。それとともに、元本割れの可能性も極めて低くなってゆく。銀行に預金しておくよりは、はるかによい。
加えて、複利といって、運用益を運用益を生む(つまり貯金でいうと、ついた利息がまた利息を生み出す)ため、資産は雪だるま式に増えてゆく。なので、毎月積み立てていると、自分のお金が徐々に増えてゆくことが実感できる。
投資は経験がものをいう。〇〇ショックで、せっかく始めた積立投資をやめてしまったという話はよく聞く。実は、減った時こそ増やすチャンスなのだが、このことも別の機会に書きたい。いきなり多額の投資をする必要はない。まずは少額でできるだけ早く始めて、減ったり増えたりの波がどの程度のものか経験を積むことがとても大切である。そうすると、大きく減ったりしても、近いうちに増えるのだな、と安心していられる。投資は割合で考えるので、100円が120円になる経験を積めば、それが1000円だった場合は1200円、10000円だった場合は12000円と容易に想像がつく。
ということで、やらない手はないと思うのだが、実際にやっている人は極めて少ない。
お金の増やし方には、大きく3つある。一つ目は稼ぐこと。二つ目は節約すること。ここまでは多くの人は知っている。三つ目は、お金に働いてもらうこと、つまり投資である。多くの人は、この三つ目の方法をはっきりと認識しない。というか、認識しようとも思わないし、あえて知ろうとしない人も多いように感じる。資本主義世界で生活している以上、投資はお金を増やすための優れた方法なのだが、この資本主義の正体を的確に認識している人は意外に少ない。資本主義など、やや難しく感じられることについては、機会を改めて書きたい。
投資については、インターネットなどで検索すると、膨大な情報があるので、何をすれば分からないでいる人が多い。まずは証券口座を開いて、毎月少ない額から積み立てを始めるのがよいだろう。月々100円からでも構わない。
投資については、いろいろとみなさんに知ってもらいたい情報があるので、また機会を改めて書きたい。
お金は悪でも善でもない。あるのはただのお金である。それをよいことに使うか、悪いことに使うかはその人次第である。ただ、お金を使わないという人は少ないだろうから、お金があって困るという人も少ないだろう。そして、資産運用(簡単にいえば自分の貯えているお金を増やすこと)に投資は欠かせない。まずは少額で第一歩を踏み出して、経験を積んでみてはどうだろうか。