最近、インターネットを通じて商品を手に入れたり、サービスを受けたりすることができるようになった。商品でいえば通信販売などがそうだが、一般に価格が安い。なぜだろうか。
商品やサービスの価格は、原価と販売管理費に利益を加えて決まる。商品やサービスを安価に入手するには、この販売管理費が抑えられたものを選ぶことである。
例えば、最近は、銀行もインターネット銀行が普及してきている。店舗を構える従来型の銀行の経営は苦しい。これは考えてみれば当然である。銀行に行って接客してくれる窓口の方の給料を払っているのは誰だろうか。ついつい、こういったサービスは無料なものだと錯覚してしまいがちだが、大きな誤解である。目の前の銀行員の給料を払っているのは他ならぬ私達窓口の利用者である。銀行の店舗の費用やATMの設置費用も、私達が支払っている。
かつては、このような従来型の銀行の利用者が多かったため、銀行はかろうじてやってこれた。しかし、近年、顧客をインターネット銀行に奪われ、従来型の銀行は、一人一人の顧客へのサービスの価格を上げざるをえなくなっている。例えば、振込手数料、最近は通帳の作成まで有料化する動きも出てきている。
こういった動きは銀行に限らない。最近は通信販売を始め、保険会社もインターネットでできる会社も出てきた。直近では、自家用車の買取りを店舗を持たずにインターネットで行う会社も出てきている。
サービスは無料ではない。働いている人がいて、その方が給与の支払いを受けていれば、必ず人件費が発生する。店舗を構えていれば、テナント料などは必ずかかる。これらを負担するのは他ならぬ私達顧客なのである。例えば、同じテナントでも、地価の高い場所に店舗を出すとなると、そうでない地域よりも費用はよりかかることとなる。
その意味で、こういった費用がかからないインターネットを通じた商品の販売やサービスの提供は競争優位性が高く、インターネットビジネス同士の戦いがすでに市場では当たり前となっている。
よい商品やサービスをより安価に入手することは顧客にとって大きなメリットがある。商品を購入する際、サービスを利用する際、常に念頭に置いてみると、見方が変わってくるものである。