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よい病院の見分け方

今回は、よい病院の見分け方について考えてみたい。といっても、よくある患者側から見た良い病院の見分け方ではなく、雇用される医師の側から見た良い病院の見分け方である。両社は実際には一致することが多いと筆者は考えているが、今回は雇われる側の医師の観点からの見分け方の目安について書いてみたい。

筆者は、非常勤医師として新たに病院やクリニックなどの医療機関に新たに雇われる機会があるが、こういった医療機関を選ぶにあたって目安にしていることがある。それは、外来診察室のボールペンである。これで、その医療機関の診療業務が的確に進んでいるかのおおよその目安がつく。

何のことか見当もつかないという方が多いかもしれない。筆者は、外来のデスクの上にあるボールペンがつくか、つまりボールペンのインクが出るかを確認している。インクの出ないボールペンが置いてある外来診察室には置いてあるボールペンの数も多いため、一瞥して判断できることも少なくない。

インクの出ないボールペンを放置する外来診察室が何を意味しているか。ここで想像力を働かせてほしい。医師は、書類の作成や、患者への説明のため、デスク上のボールペンを使う。この際、インクがきれると、医師は院内の誰かにボールペンの補充を依頼する。

この際、よい医療機関であれば、直ちに補充がされ、古いボールペンは破棄される。一方で、医師から言われた看護師は私の仕事ではないというスタンスの病院も少なくない。こういった病院は、事務方の職員も無頓着である。結果として、診察室のデスクの上にはインクの出ないボールペンが多数放置されることになる。これでは、外来診療の効率があがるはずもない。限られた短い時間内で的確に患者を診ることもできない。

これは医療機関に限らないかもしれない。会社でも同様に、誰がやるのかはっきり役割分担が決まっていない業務がある。その際、「自分の役割ではないから」というスタンスの被用者が多い職場ではたくさんのボールペンが置いてあるだろう。こういった見分け方の観点も、長年やっていると見えてくるものである。