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英会話スクールに押し寄せる価格破壊の波

今回は、昨今の英会話教室の価格が破壊的に安くなっていること。また、それに伴って講師の質が落ちていることについて書いてみたい。

筆者自身も経験してきたが、10年位前までは英会話スクールというと駅前でビルのフロアーの部屋で講師とともに英会話を行うというスタイルが一般的だった。その後、オンラインコミューニケーションツールの普及などに伴って、現在は英会話スクールはオンラインによるものが普及している。

オンラインによるメリットは多い。スクールまでわざわざ足を運ばなくてよいことがまずある。また、講師が自身の家から参加する場合などは、スクールのテナント料などの固定費がかからず、それが廉価なレッスン価格に反映される。さらに、講師はインターネット環境さえあれば世界中どこにいても講師の仕事ができることなどが挙げられる。

このようにメリットの多いオンライン英会話であるが、新たなデメリットも多く出てきた。最も困るのは、講師の質が落ちていることである。特に昨今はコロナ禍もあってか、生徒のみならず、講師も参入が多くなってきてる。講師でいえば、英語を母国語としていれば、ひとまず自称英会話講師は名乗れる。加えて、昨今はフィリピンなど英会話に通じた新興国などからの講師の参入も多い。スクール側としても、英会話を求める生徒が増えたため、講師を増やさなければならないとう事情もある。結果として、講師の選別が甘くなり、よい講師を探すのがますます大変になってきている。

語弊を恐れず言えば、そもそも、昨今の価格の英会話講師しかできない程度の人材が講師であること自体が問題ともいえる。レッスン単価でいえば、時給にして10年前の1/3程度、講師の手取りにしておそらくは1000円程度の仕事である。コンビニのアルバイトとあまり変わらない。コロナ禍の不況もあって、職を失い、英会話講師となる方が多いであろうことも想像に難くない。

オンラインスクールでいえば、新規スクールの参入と競争も激しくなってきており、スクール選びから始まって、よい講師にたどり着くまでの道のりは大変である。30分のレッスン時間を通じて一方的に講師がしゃべりたいことだけを喋って、それで終わりというものもある。また、アジア人と見るや否や、横柄な態度で接してくる講師も少なくない。このような状況の下、嫌な思いをしてやっとよい講師に辿り着いたと思えば、その講師も短期間で辞めてしまったりする。

オンライン英会話のホームページを見ると、非常に多くの講師が登録されていて、上記のような受講経験のない方から見ると、簡単に良質なサービスが受けられるように見える。しかし、実態は真逆のように思える。ただ、オンラインを使って廉価に簡便にレッスンが受けられるようになったこと自体はとてもよいことである。講師の質がより担保されたスクールが出ることを願う次第である。